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日別アーカイブ: 2026年2月16日

第33回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

鉄骨は危険が多い:だからこそ“標準化”が効く 
鉄骨工事は、高所作業、揚重、玉掛け、クレーン合図、工具使用など、危険が集中する工程です。忙しくなるほど、確認が省略され、声掛けが減り、事故リスクが上がります。
安全は気合ではなく仕組みで守るものです。例えば、合図の統一、立入禁止の徹底、落下防止の標準、工具の係留、風速基準の明文化。『誰が入っても同じ基準で動ける』状態を作るほど、現場は強くなります。

 

法令・働き方:残業を減らすには“段取りの再設計”が必要 
現代は、労務管理や時間外労働の抑制が強く求められています。ただ残業を削るだけでは回りません。必要なのは、待ち時間と手戻りを減らし、同じ時間で進む現場をつくることです。
鉄骨で残業が増えやすい原因は、①搬入遅れ、②建方の詰まり、③他職干渉、④検査・是正の後倒し、⑤書類対応の集中、などが多いです。ここを“前倒し”で潰すほど、残業は減ります。

 

品質と検査:ボルト・溶接・建入れの“説明責任” 
鉄骨は品質の根拠が求められます。高力ボルトの締付管理、溶接の施工条件、建入れ精度、塗装区分、検査記録…。現代は“良いものを作る”だけでなく“良いと説明できる”ことが価値になります。
現場でよくあるのが、写真が追いつかない、記録が散らばる、誰が何を確認したか分からない、という状態です。これを防ぐには、チェックリストと写真をひも付け、版数と日付で管理し、置き場を一本化することが重要です。

 

書類・写真がラクになる:運用ルールの例 
①撮影ポイントを標準化(建方前/建方中/本締め/溶接/是正後)
②写真名を統一(現場名_日付_工程_番号)
③フォルダ構成を固定(01 図面、02 写真、03 検査、04 是正)
④クラウド共有で事務所と連携(現場で上げて即共有)
これだけで『探す時間』が激減し、管理者は現場を見る時間が増えます。

 

事故・不具合が減る:毎日 3 分のルーティン 
忙しい現場でも回せるのが『朝 1 分・昼 1 分・終業 1 分』ルーティンです。
・朝:危険箇所と今日の取り合いを 1 つだけ共有
・昼:遅れ要因を 1 つだけ確認(材料?干渉?指示待ち?)
・終業:写真・片付け・翌日の資材の 3 点だけ確認
続けると、問題が大きくなる前に潰せます。

 

“止まるルール”が安全を守る:焦りを制御する 
鉄骨の現場では、焦りが事故を呼びます。だから『不安があったら止めて相談して良い』ルールを明文化し、止めた人を責めない文化を作ることが大切です。
“止まれる現場”は、結果として早い。これがプロの現場です。

 

管理者がラクになる:役割分担モデル 
・職長:安全・品質・段取りの最終判断(現場を見る時間を最優先)
・サブ:資材・搬入・ヤード管理、当日の作業配置
・記録担当:写真整理、チェックリスト、提出管理
・若手:標準化の運用(表示物、工具係留、片付け)
役割が決まると『誰がやるの?』が減り、現場が安定します。

次回は、DX・BIM/CIM・脱炭素など、鉄骨工事がこれから直面する“未来の課題”と可能性をまとめます。

 

ボルト管理の落とし穴:『締めたつもり』をゼロにする 
鉄骨品質で特に重要なのがボルト管理です。仮締め、本締め、マーキング、締付順序、トルク管理…。忙しい現場ほど『締めたつもり』『マーキング漏れ』が起きやすく、後工程や検査で発覚して大きな手戻りになります。
対策はシンプルで、締付の役割分担(誰が締める/誰が確認する)、マーキングの基準、チェックリストの運用を徹底すること。『締める人』と『確認する人』を分けるだけでミスは減ります。

 

溶接品質:条件管理と“記録”が信頼をつくる 
溶接は技能が必要なうえ、品質の説明責任も重い分野です。現代は、施工条件、材料、環境、外観、寸法など、多方面の確認が求められます。だからこそ、現場のルールがないと属人化し、品質がブレます。
例えば、溶接前の準備(清掃、開先、仮付け)、溶接中の注意点(姿勢、熱影響、歪み)、溶接後の確認(外観、寸法、是正)。これらを写真とチェックで残すだけで、トラブル時の説明が楽になります。

 

“書類疲れ”を防ぐ:完璧主義をやめて標準化する 
書類対応が辛い理由は、ルールが現場ごとに変わり、毎回ゼロから作るからです。そこで、
・テンプレ(提出物の型)を固定する
・写真の撮影ポイントを固定する
・フォルダ構成を固定する
・命名規則を固定する
という“固定化”が効きます。
標準があれば、新人でも手伝えます。管理者が現場を見る時間が増え、安全と品質が上がります。

 

監督・元請との信頼:『先に相談』が最強 
検査で揉める現場ほど、当日まで認識が揃っていません。判断が割れそうな点は、事前に写真や図で相談し、OK の証跡を残す。これが結果的に最短ルートです。

 

まとめ:管理は“現場を守る投資”
点検や記録は面倒に見えても、事故と手戻りを減らし、残業とストレスを減らします。少しずつでも標準化を進め、現場を守る仕組みを作りましょう。

 

チェックリスト例:本締め・溶接・建入れの“抜け防止”
【本締め】マーキング/締付順/締付漏れ確認/ボルト・座金の向き
【溶接】準備(清掃・開先)/仮付け/施工条件/外観確認/是正
【建入れ】基準点/測定記録/調整手順/最終確認/記録保管
このように“項目を短く”して、誰でも使える形にするのがコツです。

 

失敗を資産にする:是正の“再発防止メモ”
是正が出たら、原因を『知識不足/確認不足/段取り不足』に分けて 1 行で残します。次の現場の朝礼で共有するだけでも、同じ失敗は減ります。

 

最後に:記録が整うと、現場は速くなる 
記録や点検は“遅くする作業”に見えますが、実は逆です。後で探さない、揉めない、やり直さない。
これが現代の最短ルートです。
追加:安全の質を上げる“声掛けフレーズ”例
・『合図、統一でいきます!』
・『吊る前に、掛け方確認!』
・『工具、係留 OK?』
・『立入禁止、ラインの外!』
・『風、上がってきた。いったん止めよう!』
短い言葉ほど伝わりやすく、事故を減らします。

 

追加:検査に強い会社の共通点 
検査に強い会社は、“検査当日”ではなく“日々”で勝っています。チェックリストが回り、写真が整理され、是正が早い。だから指摘が少なく、工程が乱れません。結果として信頼が積み上がり、次の仕事につながります。

 

追加:ヒヤリハットを“資産化”する方法 
ヒヤリハットは、集めるだけだと形骸化します。効果が出るのは『1 つだけ選んで対策まで決める』運用です。例えば、落下物が怖かった→工具係留を徹底→係留チェックを朝礼で確認、のように“行動”まで落とします。
毎日全部は無理でも、週 1 つで十分です。続けるほど現場は強くなります。

 

追加:是正が出たときの“報告テンプレ”
・事象:何が起きた?(例:締付マーキング漏れ)
・範囲:どこまで影響?(例:梁端部 3 箇所)
・原因:知識/確認/段取りのどれ?
・対策:すぐやること/再発防止
この型があると、報告が早くなり、揉めにくくなります。

 

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この記事が、鉄骨工事に携わる皆さまの『安全・品質・生産性』を同時に高めるヒントになれば幸いです。