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カテゴリー別アーカイブ: 日記

第25回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

“成長が見える”仕事️

 

鉄骨工事の魅力のひとつは、成長が分かりやすいことです
最初は道具の名前も分からない、合図の意味も曖昧、怖さが先に立つ…。それで普通です。
でも鉄骨工事は、経験を積むほど「できること」が増え、現場での存在感が変わっていきます

初心者の壁:「怖さ」と「段取りの難しさ」

鉄骨工事は高所もあり、重たいものも扱います。最初は怖いです。
ただ、その怖さは“危険を察知できている証拠”でもあります。
現場で大切なのは無理をしないこと。
先輩たちは、怖さを知っているからこそ、安全の型を教えてくれます️

そしてもう一つの壁が段取り。
工具の置き場所、部材の順番、ボルトの準備、合図のタイミング…。
最初は頭がパンクしそうになります
でも繰り返すうちに、体が覚えます。
鉄骨工事は「慣れ」が雑になることではなく、「慣れ」が安全と品質の型になる仕事です。

“見て覚える”だけじゃない。考えて覚える

鉄骨工事は、ただ真似るだけでは伸びません。
「なぜこの順番なのか?」
「なぜここで止めるのか?」
「なぜこの位置で仮締めなのか?」
理由を理解すると、応用が効きます

同じ建物でも、条件は毎回違います。
風、地盤、周辺環境、搬入経路、工程、職人数…。
状況が違うからこそ、思考が必要になる。
考える職人が強い。これが鉄骨工事の魅力です

自分の“技術”が現場を変える瞬間

成長を実感する瞬間はいくつもあります。

・合図が正確になって、クレーンがスムーズに動く
・玉掛けが安定して、部材が暴れない
・ボルトの段取りが早くなり、工程が前に進む
・建入れ調整が上手くなって、通りが一発で決まる
・後輩に安全のポイントを説明できるようになる
こうした小さな積み上げが、現場での信頼につながります。

鉄骨工事の世界では「口が上手い人」より「仕事が正確な人」が評価されやすい。
だからこそ、まっすぐ努力した分が報われる感覚があります

仕事の“所作”がかっこよくなる

ベテランの動きには無駄がありません。
工具の扱い、歩き方、姿勢、声の出し方、確認の順番…。
すべてが安全と効率のために整っています。

鉄骨工事は、筋力だけじゃなく“所作”の仕事。
自分の動きが洗練されていくのは、職人としての快感です
「できる人の動き」って、本当にかっこいいんですよね

「任される」ようになると仕事が面白くなる

経験を積むほど、任される範囲が広がります。
最初は指示されたことをやる。
次に、自分で段取りできる。
さらに、周りの動きを見て先回りできる。
最後に、全体を見て判断できる。

任されると責任は増えます。でも、その分やりがいも増える。
鉄骨工事は、責任を背負える人が輝く仕事です️

まとめ:鉄骨工事は“自分が積み上がる”仕事

鉄骨工事の魅力は、
成長が目に見える
思考と経験が武器になる
信頼が積み上がる
所作が洗練されていく
任されるほど面白くなる
というところにあります。

建物の骨格が立ち上がるように、自分の技術も立ち上がっていく。
それが鉄骨工事の醍醐味です️

第24回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

“段取り力”が命

 

鉄骨工事の魅力を語る時、「高所での迫力」「大きな部材」「クレーン作業」などが注目されがちです
もちろんそれも魅力。でも、現場を本当に強くするのは、派手さよりも段取り力です
鉄骨工事は“準備の精度”で品質と安全が決まる世界。ここが面白いところです。

図面と現場の「翻訳」をする仕事

鉄骨は工場で加工され、現場に搬入されます。
つまり現場は「組立てる場所」。そのために必要なのが、図面から現場の動きへ落とし込む力です。

・建方手順(どこから立てるか)
・揚重計画(クレーンの位置や能力)
・搬入計画(トラック動線、荷下ろし順)
・仮設計画(足場、親綱、安全設備)
・部材の保管場所
・天候や風への対応
この計画が甘いと、当日現場が詰まります

逆に段取りが良い現場は、動きが美しい。
無駄が少なく、危険が減り、スムーズに進む。
「うまい現場」には、静かな自信と余裕があります

“建方(たてかた)”は一発勝負の緊張感

鉄骨工事の花形は建方。
柱を立て、梁を掛け、ボルトで仮締めし、精度を追い込み、本締めへ進む。
建方はやり直しが難しい工程が多く、まさに一発勝負です。

巨大な部材が宙を舞う中で、狙った位置へ導くには、合図・風読み・タイミングが重要
「あと5cm!ストップ!」
「もうちょい寄せ!」
その数センチで、納まりが決まります。
鉄骨工事は、ダイナミックなのに繊細。ここが痺れる魅力です

ボルト締結は“地味に見えて超重要”

鉄骨の接合には高力ボルトが使われることが多く、締結管理は品質の要です。
仮締め→本締め、マーキング、締付け管理、トルクや手順…。
この積み重ねが、構造の信頼性につながります。

見た目は地味でも、ここが甘いと建物の強さに直結します。
派手じゃない工程を丁寧にやり切れる人が、本物の職人です

溶接・鍛冶は“鉄に命を入れる”仕事

現場では溶接やガス切断などの鍛冶作業も欠かせません。
取り合い調整、補強、納まりの微調整…。
現場は図面通りにいかないこともあります。そんな時、現場で最適解を作るのが鍛冶の仕事。

火花が散る中で、鉄を切り、つなぎ、整える。
まさに“鉄に命を入れる”工程です
技術が目に見える分、上達の実感も大きいのが魅力です

安全は「習慣」で作る

鉄骨現場は高所作業が多く、リスクもあります。
だからこそ、鉄骨工事の現場は安全意識が非常に高い。
フルハーネス、親綱、足元確認、声掛け、KY(危険予知)…
これらが徹底されている現場ほど、仕事が強いです

安全は根性ではなく、仕組みと習慣。
そして安全を守ることは、自分を守るだけじゃなく、仲間を守ることでもあります
この“仲間意識”の強さも、鉄骨工事の魅力です。

まとめ:鉄骨工事は「段取り×技術×連携」で完成する

鉄骨工事の面白さは、
 準備で勝つ段取り力
 一発勝負の建方
地味だけど重要な締結管理

 現場対応力が問われる鍛冶・溶接
 安全を文化として守る連帯感
にあります。

派手な瞬間の裏に、緻密な計画と丁寧な仕事がある。
それが鉄骨工事の“プロの世界”です

第23回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

「街の骨格」をつくる仕事

 

鉄骨工事の魅力を一言で言うなら、街の骨格(フレーム)をつくる仕事です
人が集まるビル、工場、物流倉庫、学校、病院、商業施設…。私たちの暮らしの舞台になる建物の多くは、鉄骨という“骨”があって初めて立ち上がります。コンクリートや内装がどれだけ豪華でも、骨格が弱ければ建物は成立しません。鉄骨工事は、派手な装飾ではなく、建物の本質を担う仕事なんです

鉄骨=建物の「背骨」

建物を人に例えると、鉄骨はまさに背骨。
背骨がしっかりしていれば姿勢が整い、動きも安定しますよね。建物も同じで、鉄骨が適切に組まれることで、地震や風などの外力に耐え、長く安全に使える構造になります

「完成したら見えなくなる部分だから地味」と思われがちですが、実はその逆。
見えなくなるからこそ、最も誠実さが求められる
ミリ単位の誤差が後工程に影響し、積み重ねた誤差は最後に大きな歪みになって現れます。だから鉄骨工事は、見た目ではなく“正しさ”で勝負する世界。ここに職人の誇りがあります

迫力・スケール・達成感が段違い

鉄骨現場の魅力は、何と言ってもスケール。
クレーンで吊られる巨大な梁(はり)や柱、ボルト締結の音、合図の声、風を読む感覚…。現場はいつも“本番”の緊張感があります

そして、1本の柱が立ち、梁が掛かり、フレームが形になっていく過程は圧巻です。
最初は何もない更地に、少しずつ“街の輪郭”が生まれていく。自分たちの手で建物が立ち上がっていく瞬間は、何度経験しても胸が熱くなるものです

完成後、街を歩いていて「あの建物、自分たちが組んだ鉄骨だ」と気づく瞬間があります。
その時の感覚は特別です。
誰かの生活、仕事、買い物、学び、命を守る場所の“骨”をつくった。これほど誇れる仕事はそう多くありません

鉄骨工事は「精度の仕事」でもある

鉄骨は大きい。けれど大きいからこそ、精度が命です。
・柱の建入れ(垂直)
・梁の通り(一直線)
・レベル(高さ)
・ボルト孔位置
・部材同士の取り合い
こうした一つひとつが、後工程(床・外壁・設備)に直結します。

鉄骨工事は「力仕事」のイメージが強いかもしれませんが、実際は段取り・測量・調整・確認の積み重ねです
力だけでは勝てない。頭と経験が効いてくる。だからこそ、年数を重ねるほど“上手さ”が出る仕事でもあります。

連携が生む“気持ちいい瞬間”

鉄骨現場はチーム戦です。
玉掛け、合図、クレーン、鳶(とび)、鍛冶、溶接、ボルト本締め、測量…。それぞれが役割を果たし、連携がピタッとはまった時、現場は驚くほど滑らかに進みます

合図ひとつで、巨大な部材が狙った位置にスッと収まる。
この瞬間は本当に気持ちいい。
「人の技術と連携が、重たい鉄を自在に操る」——鉄骨工事の醍醐味です

“地震大国”で価値が輝く

日本は地震が多い国です。
だからこそ、耐震性・安全性に直結する鉄骨工事の価値は大きい。鉄骨の適切な施工、締結、溶接、精度管理が、建物の粘り強さにつながります。
鉄骨工事は、目立つ仕事ではなくても、命を守るための仕事でもあるんです

まとめ:鉄骨工事は“街の骨格”をつくる誇り

鉄骨工事の魅力は、
 スケールと迫力
 精度と技術
チーム連携の快感
社会を支える実感
 目に見えない部分での誇り
にあります。

建物の「芯」をつくる仕事は、誰にでもできません。
鉄を組み、街を支える。
それが鉄骨工事のかっこよさです

第22回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

 

鉄骨工事の未来

 

鉄骨業界は今、デジタル技術と環境対応という大きな変革期を迎えている。

3D設計とBIMの普及

近年、設計から施工までをデータで一元管理するBIM(Building Information Modeling)が急速に広がっている。BIMを活用することで、鉄骨の干渉チェック、重量計算、施工手順のシミュレーションが可能になり、現場での手戻りが減少している。

また、3Dスキャナーを使用して既設構造物を計測し、改修や増設工事にも高精度で対応できるようになった。製作工場ではNC機械による自動孔あけ・切断が進み、人手不足の解消にもつながっている。

環境とリサイクルの取り組み

鉄はリサイクル性が非常に高く、再利用が容易な素材である。建物の解体時に出る鉄骨は、再び溶かして新たな部材として生まれ変わる。この「循環型資源」としての特性は、脱炭素社会における大きな強みである。

また、工場での省エネルギー化、塗料や溶接ガスの環境基準対応、軽量高強度鋼材の導入など、環境負荷を抑える取り組みが進んでいる。

現場のデジタル化と安全技術

現場では、タブレットで図面確認や工程管理を行い、クラウド上でリアルタイム共有が可能になった。ドローンを用いた建方後の点検や、AIによるボルト本締め確認システムも開発が進む。

また、ウェアラブルデバイスで作業員の心拍数や体温をモニタリングし、熱中症や疲労を防ぐ技術も導入されている。安全と効率を両立させるデジタル施工は、これからの現場の標準となっていくだろう。

人材育成と継承

熟練工の高齢化が進む中、若手の育成が業界全体の課題である。鉄骨工事は、図面理解・精度管理・安全意識など幅広い知識が求められるため、座学と実技を組み合わせた教育が必要だ。

OJTや社内資格制度の充実、女性・外国人技能者の参入も増えており、多様な人材が活躍する現場が広がっている。

鉄骨工事の未来は、「人と技術の融合」にある。精密なデータと、現場を知る人の経験。この二つが組み合わさることで、より安全で美しく、環境にもやさしい建築が実現していく。


まとめ
鉄骨工事は、建築の根幹を支える最重要工程であり、精度・安全・品質・信頼のすべてが試される仕事である。どれほど技術が進化しても、最終的にボルトを締めるのは人の手であり、その一瞬一瞬に現場の魂が宿っている。

鉄骨が立ち上がる瞬間――そこには技術者と職人の誇りがある。
それは、未来の都市を支える“無言の芸術”ともいえる。

第21回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

品質と信頼を支える技術

 

鉄骨の品質を決めるのは、現場建方だけではない。その前段階である「製作工程」が、建物の安全性と寿命を左右する。

鉄骨製作の流れ

製作工場では、まず構造図に基づき、鋼材を切断・孔あけ・溶接・塗装して部材を作る。切断精度は±1mm以内、孔位置誤差は±2mm以内が一般的な基準である。小さな誤差でも、現場で組み立てた際にボルトが入らない、部材が合わないといった問題が発生する。

溶接作業では、JIS Z 3801などの資格を持った溶接技能者が、電流・電圧・溶接速度を管理しながらビードを形成する。溶け込み不良や気孔は、強度低下を招くため厳重な検査が行われる。

品質検査の重要性

製作後の部材は、外観検査だけでなく、超音波探傷試験(UT)、磁粉探傷試験(MT)、浸透探傷試験(PT)などの非破壊検査が行われる。これにより、内部欠陥を発見し、出荷前に不良を防止する。

また、製品検査記録・材料証明書・溶接記録などをまとめた「ミルシート」が、品質保証の証拠として納品される。こうした書類管理が信頼の根拠となり、発注者・ゼネコン・設計者からの信頼を得る。

製作工場と現場の連携

製作と建方が別業者になる場合、連携が非常に重要である。製作側は図面と実測値をもとに加工し、現場側は寸法確認を行いながら建て込む。

その間に一つでも情報のズレがあれば、現場での修正が発生し、工期やコストに大きく影響する。特にプレハブ構造や立体駐車場などの量産型建築では、製作精度が直接的に施工品質を左右する。

鉄骨の品質は、「見えないところで支える技術の結晶」である。鉄骨工事業者の信頼は、こうした積み重ねの上に成り立っている。

第20回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

安全と精度

 

鉄骨建方の現場は、建設業の中でも最も危険性が高い作業の一つである。高所作業・重量物取扱・大型クレーン操作など、常にリスクと隣り合わせだ。

高所作業における安全対策

建方作業では、地上10m〜50mの高さで作業を行うことも多い。墜落・転落防止のためには、安全帯(フルハーネス)の適切な装着、仮設手すり・ネット・親綱の設置が不可欠である。また、強風や雨天時は作業中止が原則。現場判断を誤ると、命に関わる事故につながる。

毎朝行われるKY(危険予知)ミーティングでは、作業内容に応じた危険要素を洗い出し、チーム全体で共有する。「このボルトを締める時に足元が滑る可能性がある」「吊荷の下に絶対に入らない」といった基本動作を徹底することが安全文化を育てる。

クレーン作業と合図の重要性

鉄骨建方では、クレーンによる吊り上げ作業が中心となる。オペレーターと玉掛け作業員、指揮者の三者が完全に連携しなければならない。無線機・ハンドサインによる正確な伝達が不可欠で、一瞬の誤解が重大事故を招く。

特に「吊荷の下に人を入れない」「合図が確認できるまで動かさない」ことは鉄則である。作業スピードよりも“安全優先”を徹底する姿勢が、プロとしての信頼を築く。

精度管理の徹底

鉄骨の建方作業では、ミリ単位の精度が求められる。誤差が積み重なると、最上階では数センチのズレになることもある。そのため、トランシットやレーザーレベルによる測定を行い、柱・梁の垂直度・直角度を常に確認する。

また、高力ボルトの本締めトルクや溶接の温度管理も重要だ。どれか一つでも基準を満たさなければ、全体の強度が保証されない。職人たちは、見えない部分で「精度と品質」に命を懸けている。

現場に息づくチームワーク

鉄骨工事は、一人ではできない仕事である。組立て班、溶接班、鳶職、検査員、監督、クレーンオペレーター――。それぞれの職能が連携して初めて安全で美しい構造体が完成する。

鉄骨工事の現場には「人と人との信頼」が欠かせない。互いに声をかけ、確認し合いながら作業を進める姿勢が、事故を防ぎ、精度を守る最も基本的なルールである。

第19回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

鉄骨工事の基礎と役割

 

 

建築現場を見渡したとき、まず目に入るのが鉄骨の構造体である。高層ビル、工場、倉庫、商業施設、橋梁など、現代の大半の構造物は鉄骨を中心に組み立てられている。木造やコンクリート造とは異なり、鉄骨構造の最大の特徴は「強さと柔軟性の両立」である。

鉄骨工事とは、鉄骨の製作・加工・建方・溶接・ボルト締結などを通じて、建物の主要な骨格を形成する工程を指す。構造計算をもとに、設計通りの精度で鉄骨を立ち上げることが求められる。わずかなズレでも建物全体の精度や安全性に影響を及ぼすため、数ミリ単位の誤差も許されない。

鉄骨工事の流れ

  1. 設計・製作図の作成
     構造設計図をもとに、鉄骨製作図を専門業者が作成する。ボルトの位置、溶接箇所、梁の長さなどをすべて3Dで確認し、現場での施工誤差を防ぐ。

  2. 鉄骨加工・塗装
     製作工場で鋼材を切断・孔あけ・溶接して部材をつくる。JIS規格に基づいた品質検査を行い、溶接部の超音波探傷試験(UT)や磁粉探傷試験(MT)などで欠陥をチェックする。

  3. 現場搬入・建方作業
     鉄骨はトレーラーで現場に搬入され、クレーンによって吊り上げ・組み立てを行う。建方作業では、現場溶接と高力ボルトによる接合が中心となる。地上数十メートルの高所で、精密かつ迅速な作業が求められる。

  4. 本締め・溶接・検査
     仮ボルトで位置を合わせた後、本締めを行い、トルクレンチで規定値を確認。すべての接合部に検査記録を残す。溶接箇所も外観・内部ともに検査し、品質保証を行う。

鉄骨工事は建築工程の中でも特に「時間との勝負」が多い。現場の工程は鉄骨の建方に大きく依存しており、遅れが全体の工期に直結する。そのため、事前の施工計画と段取りが最重要といえる。

鉄骨構造の強み

鉄骨構造は、地震や風圧に強く、重量に対する強度が非常に高い。また、自由度の高い空間設計が可能で、大スパンの建築にも対応できる。倉庫やスタジアムなど「柱の少ない空間」をつくるには最適な構造形式だ。

さらに、溶接技術・耐火被覆・塗装技術の進化により、耐久性や防錆性も格段に向上している。これにより、長期使用が前提となる公共施設や産業施設でも、鉄骨構造が標準化されている。

鉄骨工事は、建物の“命”を支える根幹業務である。見えなくなる部分こそが最も重要であり、その精度と安全管理こそが職人の誇りである。

第18回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

第4シリーズ:鉄骨工事が支える街づくり
テーマ: 目に見えないけれど、街を支える仕事!

 

こんにちは!今回は、鉄骨工事がどのように街づくりに貢献しているのかについてお話しします。
私たちが日常的に利用する建物や橋、高速道路。これらの背後には、鉄骨工事という縁の下の力持ち的な存在があります。鉄骨は高い強度と柔軟性を持ち、都市の発展やインフラ整備には欠かせない素材です。鉄骨工事がどのように街を支え、人々の暮らしを豊かにしているのか、具体例を交えながらご紹介します!

 

1. 高層ビルの建設: 都市のランドマークを支える
1-1. 鉄骨の特性が生きる建設現場
鉄骨の強度と軽さは、高層ビルの建設に最適です。

強度: 鉄骨はコンクリートに比べて軽量でありながら、非常に高い強度を持っています。そのため、高層建築物のような負荷の大きい構造でも使用可能です。
柔軟性: 地震や風の力を受けても、柔軟に変形してエネルギーを吸収する性質があります。これにより、高層ビルが地震や台風に耐える安全な構造になります。

1-2. 都市デザインの自由度を向上
鉄骨は形状やサイズが自由に加工できるため、ユニークな建物デザインを可能にします。

特徴的な外観: 鉄骨を活用することで、斬新なデザインや独自の形状を実現。都市のアイコンとなるようなランドマークを生み出します。
大空間の実現: 柱や壁の数を減らし、大きな開放的空間を作れるのも鉄骨ならではの魅力です。
例: 東京スカイツリーや大阪の梅田スカイビルは、鉄骨の特性を生かして建設された代表的な建物です。

 

2. 橋やインフラの整備: 地域をつなぐ鉄骨工事
2-1. 橋梁工事での鉄骨の役割
大きな橋や高速道路を支える骨組みには、鉄骨が使われることが多いです。

長いスパンを支える: 橋梁では、川や谷を一跨ぎする長いスパンが必要です。鉄骨はその強度と耐久性から、こうした構造に最適です。
錆びにくい素材: 現代の鉄骨は防錆加工が施されており、長期間にわたって劣化しにくい特性を持っています。

2-2. 高速道路や鉄道の整備
鉄骨は、高速道路の高架橋や鉄道の駅舎にも活躍しています。
耐久性: 毎日何千台もの車両や列車が通過しても、安全に支えることが可能です。
組み立ての速さ: 現場での工期短縮が求められるインフラ整備において、鉄骨工事の迅速性が重宝されています。
例: 瀬戸大橋や明石海峡大橋は、鉄骨技術を駆使して建設された巨大なインフラです。

 

3. 鉄骨工事の持続可能性: 環境に優しい素材としての鉄骨
鉄骨は、リサイクルが可能な素材であるため、環境への配慮が求められる現代の街づくりにおいても重要な役割を果たしています。

3-1. リサイクル率の高さ
鉄はリサイクル率が非常に高い素材です。不要になった鉄骨は再溶解され、新しい建築資材として再利用されます。

資源の節約: 鉄をリサイクルすることで、天然資源の消費を抑えられます。
廃棄物の削減: 建設現場での廃材が減り、廃棄物処理コストの削減にもつながります。

3-2. カーボンニュートラルへの貢献
鉄骨工事では、製造工程や運搬時のCO2排出量を削減する取り組みも進んでいます。省エネルギー技術を導入することで、環境負荷を最小限に抑えた街づくりが可能です。

 

4. 鉄骨工事がもたらす未来の可能性
4-1. 次世代建築への応用
鉄骨工事の技術は、次世代の建築物にも応用されています。

超高層建築: さらに高い建物の建設が可能になり、都市の空間利用が効率化します。
ハイブリッド構造: 木材やコンクリートとの組み合わせにより、強度とデザイン性を両立した建物が増えています。

4-2. 地域の発展を支える基盤
鉄骨工事は、都市部だけでなく地方の発展にも貢献しています。新しい橋や公共施設の整備により、地域の利便性が向上し、観光や産業の発展を後押しします。

 

5. 実際の施工事例
事例1: 地域のシンボルとなる高層ビル
都市開発の一環として建設されたビルは、鉄骨工事の技術を駆使して、耐震性とデザイン性を両立しました。
事例2: 大規模橋梁プロジェクト
交通の要所を支える橋梁工事では、鉄骨を使用した軽量かつ頑丈な構造が採用されました。結果として、地域住民の移動が格段に便利に。

 

次回予告:環境に優しい鉄骨工事について
次回は「環境に優しい鉄骨工事」をテーマに、持続可能な建設技術やエコフレンドリーな素材の活用について詳しく解説します。鉄骨がどのように未来の街づくりを支えているのか、お楽しみに!

 

 

第17回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

第3シリーズ:鉄骨工事の技術と道具
テーマ: 職人技と最新技術の融合!

 

こんにちは!今回は、鉄骨工事の現場で活躍する「職人技」と「最新技術」についてご紹介します。
鉄骨工事は、建物の基礎を支える重要な工程であり、職人の経験と最新技術が互いに補完し合いながら進められます。その過程では、人の手でしかできない繊細な作業から、最新の機械が生み出す高精度な加工まで、幅広い技術が使われています。それでは、現場の舞台裏を覗いてみましょう!

 

1. 職人技が光る場面
鉄骨工事では、経験とスキルが求められる場面が数多くあります。ここでは特に重要な2つの工程をご紹介します。

1-1. 溶接: 鉄骨同士をつなぐ技術の要
溶接は、鉄骨同士を強固につなぎ、建物全体の構造を支える重要な工程です。

技術のポイント:
強度と美しさを両立させるため、溶接線の均一さが求められます。
熱の加減を調整しながら作業を進めることで、鉄骨に余分な負荷をかけないようにします。

溶接の種類:
アーク溶接: 電気の力で鉄を溶かして接合。
TIG溶接: 繊細な作業に向いており、美しい仕上がりが特徴です。

1-2. 高所作業: バランス感覚と集中力が試される現場
鉄骨工事では、鉄骨を組み上げるために高所での作業が頻繁に行われます。

安全第一: 命綱や安全帯の着用が必須。
技術と感覚: 高所でのバランス感覚や、限られたスペースでの正確な作業が求められます。
連携: 作業員同士のスムーズな連携が、安全で効率的な工事の鍵となります。

 

2. 活躍する最新技術
鉄骨工事の現場では、最新技術が作業の効率化と精度向上に大きく貢献しています。

2-1. レーザーカッター: 高精度な鉄骨加工
高精度加工: 複雑な形状や細かい寸法でも、レーザーカッターを使えば正確に切り出せます。
スピードアップ: 人の手では時間がかかる加工も、レーザーカッターなら短時間で仕上げ可能。
廃材の削減: 必要な部分だけを正確に切り出せるため、材料の無駄が少なく環境にも優しい技術です。

2-2. クレーン操作: 重たい鉄骨を安全に運搬
大重量の取り扱い: クレーンは数トンもの鉄骨を安全に持ち上げて運ぶために不可欠です。
精密な動作: 操作する作業員は、高い集中力と経験を持って鉄骨を正確な位置に設置します。
安全管理: クレーン作業時には、周囲の安全を確認しながら慎重に進めます。

2-3. BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)
BIMを活用することで、建物全体の設計や施工計画が3Dで可視化され、鉄骨工事の工程も効率的に管理可能です。
現場でのミスを減らし、作業の流れをスムーズにします。

 

3. 鉄骨工事の魅力
鉄骨工事は、頑丈で耐久性の高い建物を支えるために欠かせない工程です。職人の経験と最新技術が一体となることで、質の高い施工が可能になります。

安全性の向上
鉄骨工事で重要なのは、地震や強風に耐えられる安全な建物を作ること。溶接や接合部分の強度が、建物全体の安全性に直結します。

効率化と環境配慮
最新技術を活用することで、作業効率が向上し、工期短縮やコスト削減につながります。
廃材を減らし、環境に配慮した工事が実現します。

 

4. 実際の現場事例
事例1: 商業ビルの鉄骨組み立て
工程: 溶接と高所作業を組み合わせた大規模な鉄骨工事。
成果: 工期内に安全かつ正確に施工を完了し、クライアントから高評価を得ました。
事例2: 工場施設の建設
課題: 重量のある鉄骨を狭い敷地内で安全に設置する必要がありました。
解決: クレーン操作とBIMを活用し、効率的な施工を実現しました。

 

次回予告:鉄骨工事が街づくりに果たす役割
次回は、鉄骨工事がどのように街づくりに貢献しているのかをテーマにお届けします。安全で美しい建物を支える鉄骨工事の社会的な意義について詳しく解説します。ぜひお楽しみに!

 

 

第16回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

第2シリーズ:鉄骨工事の流れを知ろう!
テーマ: 鉄が建物になるまでのプロセス

 

こんにちは!今回は、鉄骨工事がどのように進むのか、その具体的な工程をご紹介します。一つひとつのステップが建物の完成に向けた重要なピースとなっているので、ぜひ最後までお読みくださいね!

 

1. 設計と図面の作成
鉄骨工事の始まりは、設計図面の作成から!建物全体の設計図をもとに、鉄骨工事用の詳細な図面を作成します。この図面には、鉄骨の大きさや位置、接合方法がミリ単位で記載されています。
構造計算: 鉄骨が建物を安全に支えられるよう、強度や耐震性を計算します。
CADによる設計: 現代ではCAD(コンピュータ支援設計)を使い、精密な図面を作成します。これが工事の「青写真」になるんです!

 

2. 工場での鉄骨加工
次に、設計図をもとに工場で鉄骨を加工します。ここでの加工が正確であるほど、現場での組み立てがスムーズに進みます。

切断と穴あけ: 鉄材を必要な長さに切断し、ボルトやナットを取り付けるための穴を開けます。
溶接: 必要に応じて、複数の鉄骨を溶接でつなぎ合わせます。職人が行う手作業と最新のロボット技術が組み合わされています。
防錆処理と塗装: 鉄骨に錆び止めを施し、長期間にわたって耐久性を保てるようにします。

 

3. 現場での組み立て
加工された鉄骨が現場に運ばれ、いよいよ建物の形が作られていきます。ここからが現場作業の見せ場です!

柱の設置: 最初に柱を垂直に立てます。建物全体の骨格を支える基礎なので、精密な調整が必要です。
梁(はり)の設置: 柱と柱をつなぐ梁を取り付けます。クレーンを使いながら、職人たちがチームで連携して作業を進めます。
ブレースの設置: 建物の耐震性を高めるために、斜めの補強材(ブレース)を取り付けます。

 

4. 溶接と仕上げ
組み立てが終わったら、各接合部分を溶接して固定します。この作業が建物の強度を左右する重要な工程です。

溶接: 鉄骨同士をしっかりと接合し、構造全体の一体感を高めます。
塗装: 最後に塗装を施して、外観を美しく仕上げると同時に、さらに防錆効果を高めます。

 

鉄骨工事の魅力
鉄骨が設置されると、建物の全体像が目に見える形で現れてきます。この瞬間は、工事に携わる全員が達成感を味わえる特別な時間です!

高い建物の形が空に向かって伸びていく様子は、圧巻の光景です。
職人たちのチームワークが形となり、建物が完成するまでの過程を支えています。

 

次回予告!
次回は、「鉄骨工事の現場で使われる道具や技術」について詳しくお話しします!鉄骨工事に欠かせない道具や、現代の技術革新がどのように作業を効率化しているのか、分かりやすく解説しますのでお楽しみに!