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第14回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

~“揺れに強い骨”をつくる~

 

耐震性能を引き出す鍵は、高力ボルト・溶接・柱脚の三点。どれか一つでも甘いと、通り精度や長期耐久に響きます。現場で役立つ実務の型を、ミスが起きやすい順にまとめました。


1|高力ボルト:初期設定で勝負が決まる

  • 保管:乾燥・未開封・ロット別。サビ・油分は締付性能に直結

  • 穴・座面:切粉除去/座面の平滑性確認(異物はNG)

  • 試し締め:当日ロットで工具校正→本番へ

  • 締付手順本数→対角→外周の順で段階締付/マーキングで見える化

  • 検査:軸力管理方式に合わせて記録(トルク・表示ピン・回転角等)

ありがちNG⚠️:仮締めのまま次工程へ。マーキング未実施は抜けの合図。


2|溶接:WPS(施工要領)を“紙から現場へ” ➡️

  • 予熱・層間温度を計測・記録(低温時は特に)

  • 開先精度・ルート間隔を統一し溶け込みを確保

  • 歪み対策は対称溶接・短ビード・裏当てを使い分け

  • 外観OKでも内部欠陥はあり得る→必要に応じUT/MT/PTを計画的に

写真は「開先→仮付→本溶接→外観→NDT結果」の時系列がわかるように。


3|柱脚:建物の“足首”を丁寧に

  • アンカー位置・レベル墨出し→二重確認

  • レベリング(ベース下):座金・ナットの接地面確保

  • 建方後:通り・鉛直・建入れ調整→グラウトで剛結を完成

  • 防錆:グラウト面・端部のタッチアップを忘れずに


4|通り精度と“後戻りゼロ”の運用

  • 基準柱で全体の芯を固定→梁で通り連結

  • 階ごとに仮ブレースを計画配置し、本締め前の狂いを抑える

  • 建方階層の完了定義(本締め/タッチアップ/清掃)を明確化


5|塗装・耐火を活かす段取り

  • 素地調整→下塗→中・上塗の工程を膜厚計で数値管理

  • 耐火被覆(吹付・巻付)の仕上げ厚欠損補修は写真で可視化

  • 取合い(梁端・仕口)は先行タッチアップでサビ起点を作らない


6|安全第一:揚重・高所・天候 ️

  • 玉掛け指示は手元・クレーン間で合図統一

  • 開口部は先行手摺・親綱で恒常化

  • 強風・雷雨中止基準を施工計画書に明記し、毎朝周知


7|原価と工期を守る“小ワザ” ⏳

  • 標準化部材(スプライス位置・仕口寸法)で製作を平準化

  • 現場溶接の最小化:ボルト化と仮組確認で手戻り削減

  • 写真台帳の自動化(クラウド/QR)で検査〜承認を短縮


8|チェックリスト✅

  • 高力ボルト 校正・マーキング完了

  • 溶接 予熱・層間・外観・NDT記録

  • 柱脚 建入れ・グラウト・タッチアップ

  • 塗膜 膜厚・欠損補修・最終確認

  • 安全 開口養生・墜落対策・風速基準


高力ボルト×溶接×柱脚の三点を“記録と順序”で管理すれば、品質は安定し、是正回数は激減します。

 

第13回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

~“現場が止まらない”~

鉄骨は「図面通りに作って立てる」だけでは回りません。設計・製作・建方が一体となった段取りで、通り精度・工期・安全を同時に成立させるのがプロの仕事。この記事では、現場でそのまま使える勝ちパターンを、チェックリスト付きで解説します。✨


1|全体工程MAP(まず全体像)️

  1. 基本設計・詳細検討(仕口・継手・耐火仕様)

  2. 施工図・現寸(衝突・納まり検証)

  3. 材料手配・トレーサビリティ設定(ミルシート紐づけ)

  4. 工場製作(開先→仮付→本溶接→矯正→孔あけ→仮組)

  5. 素地調整・塗装/耐火仕様の確認

  6. 出荷・輸送(番付・荷姿計画)

  7. 建方(クレーン計画・通り出し・本締め)

  8. 最終調整・検査・引渡し

コツ:“前工程で次工程の条件を確定”。未決のまま進めると全てが後手に回ります。


2|設計・ディテールの要点(不具合の8割はここで決まる)

  • 柱梁仕口:高力ボルト本数/ピッチ、座金の当たり、レンチクリアランス

  • 梁成・スリーブ衝突:設備・ダクト・配管との干渉はBIMや干渉表で先消し

  • デッキ合成:スタッド位置と溶接可否、端部の座屈止め

  • 柱脚:アンカー配置・ベースプレート厚・グラウト納まり


3|材料・トレサ管理(後追いできる体制)

  • ヒートNo.→部材ID→台帳を一気通貫で紐づけ

  • 端材は長さ・断面別で保管し、流用先を明記(歩留まりUP)

  • 孔あけ・切断はネスティング最適化で残材率を見える化


4|工場製作の勘所(まっすぐ作る)

  • 溶接順序で歪みをコントロール(対向・対称・短ビード)

  • 仮組検査で取合い・ボルト通りを事前確認

  • 素地調整→下塗りは仕様書に沿って等級・膜厚を記録

  • 孔精度・面取りで建方時のボルト入らない問題を撲滅


5|出荷・輸送(建方順=積み順)

  • 部材は番付順で積載、吊りポイントをマーキング

  • 長尺物は撓み養生、塗装面の当たり養生を徹底

  • 納入伝票に部材ID/番付/設置位置を明記し現場受入れを時短


6|建方計画(クレーンと風と人の動線)️️

  • 揚重計画:作業半径・ジブ長・吊荷重表で余裕を確保

  • 通り出し:基準通り(X→Y→高さ)で基準柱を先に決める

  • 仮ボルト→本締めの順序・階ごとの仮ブレースを事前定義

  • 強風・雷・降雨時の中止基準は明文化(現場裁量にしない)


7|精度・安全・品質のチェックリスト ✅

  • 柱鉛直・通り(レーザー/トランシットで記録)

  • 高力ボルト:下穴清掃・ワッシャー面・締付順序・マークオフ

  • 溶接部:外観(クレータ/アンダーカット)→必要に応じ非破壊検査

  • 塗膜:膜厚・タッチアップ記録

  • 仮設:手摺・親綱・開口養生の継続管理


8|写真台帳

「日付_工区_部位_内容」

  1. 全景(建方エリア) → 2) 部位(仕口・柱脚) → 3) 寸法UP(スケール写り込み)
    是正後は同アングルで再撮。Before/Afterが一目で分かるように。


鉄骨工事は段取りの競技。設計→製作→建方を一本の線でつなぐだけで、通り不良・再作業・待ち時間が劇的に減ります。

 

第12回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

 

~経済的役割~

高層ビル、物流倉庫、工場、橋梁──これらの堅牢な構造物の多くに共通するもの、それが「鉄骨構造」です。そして、その構造を具現化するのが、鉄骨工事という専門職能です。

一見すると建設工程の一部に過ぎないように見える鉄骨工事ですが、実は日本経済の基盤を支える重要な役割を果たしています。本稿では、鉄骨工事が持つ経済的価値と影響力を、「都市開発」「産業支援」「地域経済」「雇用創出」「輸出競争力」などの観点から深く掘り下げていきます。


1. 建築・都市開発を支える“構造インフラ”としての貢献

鉄骨工事は、都市開発におけるスピードとスケールの実現に不可欠な工程です。鉄骨構造は、施工期間の短縮や大空間の確保を可能にし、都市の高密度化・高度利用に適応するための最適な構造方式とされています。

  • 高層オフィスビルや商業施設の迅速な建設

  • 病院・学校・工場など公共・民間両面のインフラ整備

  • 再開発エリアにおける耐震・制振建物の構築

このように、鉄骨工事は都市機能の更新と拡張に欠かせない工程であり、その存在なしには大規模な再開発や都市成長の実現は不可能です。これはすなわち、鉄骨工事が地域や都市の経済発展を物理的に支えていることに他なりません。


2. 多業種を巻き込む“裾野産業”としての波及効果

鉄骨工事は、製鉄業・加工業・運送業・設計業・建材業など、多様な業種と連動して成立します。鉄骨が一本現場に立つまでには、次のような複数の経済活動が連携しています。

  • 鉄鋼メーカーによる鋼材の供給

  • 鉄骨加工業者による切断・孔あけ・溶接

  • 運送業者による現場輸送

  • 現場作業員・クレーンオペレーター・施工管理者による建方工事

  • 検査・検証・強度試験などの第三者機関の関与

これにより、鉄骨工事は直接雇用と間接雇用を含め、極めて大きな経済波及効果を持つ“産業のハブ”として機能します。特に地方の加工場や輸送業者にとっては、重要な収入源となっており、地域経済の安定に貢献しているのです。


3. 雇用の維持と技能の継承による社会的安定への貢献

鉄骨工事は、現場作業を中心とする労働集約型産業でもあり、さまざまな層の人々に安定した雇用を提供しています。

  • 現場鉄骨鳶・鍛冶工・玉掛け作業員などの熟練職人

  • 若年技能者の育成や技能実習生の受入れ

  • 女性や高齢者の支援職(設計補助・検査補助など)

また、技能五輪や国土交通省認定の鉄骨工技能評価制度など、職人文化の継承と高度化が国家的にも支援されています。これは雇用の質的向上を通じて、国民経済全体の底上げに貢献していることを意味します。


4. 災害復旧・レジリエンス構造における経済的安全網

鉄骨構造は、耐震性・耐火性に優れており、防災・減災の観点からも極めて経済的価値が高い構造方式です。鉄骨工事によって建てられた建築物は、災害発生時の被害を最小限に抑えるとともに、復旧の迅速化にも寄与します。

  • 鉄骨構造の採用による病院や避難所の機能維持

  • 災害後の仮設施設の早期建設

  • 地震対策補強工事の受注増加による地域建設業の活性化

このように鉄骨工事は、防災インフラとしての役割と同時に、復旧需要を創出することで経済的セーフティーネットとしても機能しているのです。


5. インフラ輸出・グローバル展開を支える施工技術

日本の鉄骨工事技術は、精度・安全性・施工管理能力において世界的に高く評価されています。特に海外のインフラ開発案件や日系企業の工場建設などで、日本の鉄骨工事業者が活躍しており、以下のような経済的効果を生み出しています。

  • インフラ輸出政策との連携による外貨獲得

  • 海外現地法人・合弁会社の設立による進出

  • 技能者派遣・施工指導による技術移転

これは、鉄骨工事が「国内建設業」という枠を超えて、日本の経済外交・成長戦略の一端を担う産業へと成長していることを示しています。


6. 環境経済への貢献:循環型資材としての鉄骨の価値

鉄骨はリユース・リサイクルが可能な資材であり、近年のカーボンニュートラル社会への移行においてもその存在価値が高まっています

  • 鉄骨の再利用による埋立ゴミ削減

  • 工場溶接化による現場CO₂排出削減

  • 高耐久化によるメンテナンス周期の延長

  • ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)設計への対応

これにより、鉄骨工事は持続可能な建設経済の推進役として、環境と経済の両立を実現する分野となっているのです。


鉄骨工事は“構造の仕事”から“経済の礎”へ

鉄骨工事は単なる構造体の施工ではありません。それは、都市の機能を実現する骨格であり、産業の交点であり、地域の雇用を支える基盤です。そして今では、環境対応・輸出競争力・災害対応といった社会全体の課題に対して、経済的な解決策を提供できる分野へと成長しています。

建設業の未来を考えるとき、鉄骨工事の存在を経済的観点から捉え直すことは、きわめて重要な視点といえるでしょう。

 

7月は高層マンションが多い

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第11回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

~多様化~

鉄骨工事は、ビル・工場・橋梁・倉庫などの建築物において、構造の“骨格”を担う極めて重要な工程です。耐震性・耐久性・施工スピードの観点から高く評価されてきた鉄骨構造ですが、近年は社会の多様化に応じて鉄骨工事の形態そのものも急速に進化しています


1. 構造ニーズの多様化:大型・中小・特殊建築物まで対応

かつて鉄骨工事の主力は中高層ビルや大規模施設に限定されていましたが、現在では中小規模の木造住宅や特殊施設でも鉄骨構造の採用が進んでいます

多様化する対応物件の例

  • 商業施設・物流倉庫・データセンターなどの大空間構造

  • 木造住宅の一部補強(鉄骨梁の採用)

  • 農業用ハウスや畜舎のフレーム構造化

  • 学校や病院など公共施設の耐震鉄骨補強

  • 再生可能エネルギー関連施設(太陽光パネル架台など)

このように鉄骨工事業者は、現場規模・構造設計・立地条件に合わせて柔軟に対応する技術力と多能工的な職能が求められるようになってきています


2. 工法の進化と施工バリエーションの広がり

施工技術の面でも、従来の現場溶接・ボルト接合といった基本的な工法に加え、短工期・高精度・省力化を意識した新工法が続々と導入されています

主な多様化のポイント

  • ユニット化・プレファブ工法:柱・梁を工場で組み立て、現場ではボルト接合のみで完結

  • ハイブリッド構造:鉄骨とRC造、木造との混構造に対応

  • 耐震補強工法:ブレース設置・制振デバイス組み込みなど

  • 高所作業ロボット・自動溶接機の導入

これにより、鉄骨工事は単なる骨組みの施工にとどまらず、設計・製作・組立までを一体化した統合工事業へと進化しているのです。


3. 多様な人材と組織体制:技能伝承とデジタル対応の両立

鉄骨工事の分野では、深刻な人手不足と若年技能者の減少が課題となる一方で、女性職人や外国人技能者、IT技術者など新しい人材の参入が進んでいます

  • 女性鉄骨職人の増加(玉掛け、溶接、CADオペなど)

  • 技能実習生や特定技能外国人の活躍

  • DX人材(3D設計・構造解析・施工管理アプリの運用)

  • 職人と管理職の協働による“見える化”体制づくり

こうした多様な人材が協働できる組織構築が、鉄骨工事業の競争力に直結する時代へと移行しつつあります。


4. ICT・BIMとの融合:設計から施工までの一体化

鉄骨工事では、図面の3D化や施工管理のクラウド化が加速しており、BIM(Building Information Modeling)を活用したプロジェクトが主流になりつつあります。

ICT導入による多様化の例

  • 3Dモデルによる干渉チェックと施工シミュレーション

  • 製作図と現場寸法の自動照合

  • 搬入計画・仮設計画の可視化

  • クレーンや溶接装置との連動

  • QRコードで部材・作業工程を管理

こうしたデジタル技術との融合により、鉄骨工事業者はより高精度・高効率で多種多様な構造ニーズに対応可能となっています。


5. サステナブル構造・環境対応ニーズの拡大

気候変動対策やESG経営の重要性が高まる中で、鉄骨工事にも環境負荷低減の視点が求められています。

  • リユース鉄骨材の活用

  • 高耐候鋼材・高強度材の採用による長寿命化

  • 現場発生ガスの低減施工法

  • ZEB(ゼロエネルギービル)への構造適合設計

これにより、鉄骨工事は単なる「強さ」だけでなく、「環境性能」や「資源循環性」を意識した施工対応が求められるようになり、環境型工事へと多様化しているのです


6. 顧客ニーズの多様化に応えるコンサルティング対応

最後に、発注者側のニーズも大きく変化しています。

  • デザイン性重視の構造提案(スケルトン天井、スチール階段)

  • コストと構造バランスの見積対応

  • 法改正や耐震基準に基づく提案型営業

  • 維持管理・解体を見据えた構造計画

こうしたニーズに応えるため、鉄骨工事業者には単なる請負業ではなく、提案型コンサルティング力を持った“パートナー企業”としての機能が求められる時代となっています。


鉄骨工事の多様化は、建築業の進化の象徴

鉄骨工事は今、構造の種類、工法、扱う人材、技術の融合、そして顧客ニーズに至るまで、あらゆる面で多様化と高度化を遂げています。これは単なる施工分野の進化ではなく、日本の建設産業全体が進むべき「柔軟性と総合力の時代」を象徴する現象でもあります。

この変化を捉え、対応し、活用していくことこそが、今後の鉄骨工事業者に求められる最大の強みと言えるでしょう。

10階建方進行中

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第10回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

 

 1. 干渉チェックと設計検証の精度向上

3Dモデルでは、鉄骨同士や配管・設備・外壁との干渉をバーチャル空間で事前確認でき、現場での手戻りを大幅に削減できます
またリビングモデル上で溶接・輸送・建て方順序をシミュレートできるため、ミスを未然防止する効果も大きいです


 2. 業務効率の抜本改善

専用3D CAD(例:REAL4、KAP、Tekla Structures)は、部材の切断図・穴加工図・NCデータ・加工帳・工程計画をワークフロー一元管理できます 
2D図面の手作業に比べ、作図速度が向上し、ヒューマンエラーも減少します。


 3. 視覚的な理解の向上と説明力アップ

3D画面で部材構成を立体視できるため、工場・現場関係者、および施主への説明がスムーズかつ説得力あるものになります 
電子黒板やタブレットで「立体見せ」可能な体制は、顧客との打ち合わせや品質チェックにも有効です


 4. 調達・積算・工程管理との連携強化

3Dモデルを基に、部材の拾い出し・BOM作成・帳票発行・納期計画まで自動連係。従来の手配ミスや進捗遅れを防止し、工程可視化にも寄与します


5. 品質の安定化への貢献

非破壊検査(NTT/UT)計画や施工後の溶接品質検証も3D空間で事前設計可能。寸法公差・溶接部位置などをより厳密に管理できます 。


実践ステップ:3D図面導入の道筋

  1. CADツールの導入・選定
     – Tekla Structures、REAL4、KAPなど3D/BIM対応ツールを導入。

  2. 社内運用プロセスの整備
     – 3Dモデルを中心に、加工図・NC・工程帳票への展開体制を構築。

  3. 関係者への教育・共有
     – モデル閲覧用端末の整備とともに、現場・施主向け研修を実施。

  4. PDCAによる定着
     – 現場での問題点を3D上でフィードバックし、モデル精度を継続向上。


3D図面活用の未来展望

  • BIMのさらなる活用:構造・設備・建築各分野との連携深化で、統合的なプロジェクト管理が可能に

  • 脱炭素・SDGs対応:3D設計で材量最適化、資源削減・廃材最小化も実現

  • デジタル連携進展:3DモデルとCNC機械の直結や、電子黒板を使ったプレゼンが常態化へ


3D図面導入は、単なる「見やすさ向上」に留まらず、設計の検証力向上・業務効率の抜本改善・品質保証・調達精度の強化といった幅広い効果をもたらします。現場でのミス・手戻りの削減と、顧客との信頼強化にもつながるため、今後の鉄骨加工業のスタンダードとなる流れです。

今日から、10階建方‼️

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第9回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

~専門用語~

 

鉄骨加工業は、鋼材を切断・穴あけ・溶接などで形づくり、現場で組立てる一連の流れを担う職能です。正確な施工と安全を実現するために、「専門用語」を理解し、図面や仕様書に即した作業が求められます。ここでは、鉄骨加工・組立の現場で使われる重要用語をカテゴリ別に深掘り解説します。


① 図面で使われる基本記号・略語

用語 意味
GL グラウンドレベル。基準となる設計面の高さ。
L=5000 部材長さ(mm)を示す指示。例:5 mの鋼材。
Φ18 穴径18 mmのドリル加工を示す。
T=10 板厚10 mmを示す指示。
HTB/HTC 高張力ボルトの種類。HTBは高張力ボルト、HTCは高張力キャップボルトの略。

② 加工指示・仕様に関する用語

用語 内容
切断長 切断後の鋼材長さ。加工前に精度確認が必須。
マーク(刻印) 鋼材に打つ識別番号。組立現場での部材一致確認に使用。
ドリル加工 穴をあける工法。ボルト径・位置・公差規定が重要。
溶接記号(JIS Z 3021など) 図面上の記号で、溶接の種類や部位を指示。
ビード 溶接後の盛り上がり部。墨筋に沿う適切な幅・高さが求められる。

③ 組立・現場用語

用語 内容
アンカーボルト 基礎に打ち込み、柱を固定するボルト。長さ・埋め込み深さの管理が重要。
グレーチング 通路床などに使われる格子状鋼材。荷重条件に応じて材料を選定。
仮ボルト 仮組み用のボルト。本締めは検査後に行う。
正ボルト / 裏ボルト 接合方向により区別。正面・裏面どちらから締めるか指定あり。
カラー入れ 部材間隙をスペーサーで保持し、ズレや変形を防止する措置。

④ 品質管理・検査に関する用語

用語 内容
NTT/UT 表面・内部の非破壊検査。NTT=浸透探傷試験、UT=超音波試験を指す。
バリ 切断エッジにできる突起。バリ取り(処理)により品質保持。
寸法公差 長さ・位置・角度などの許容範囲。組立精度に大きく影響。
R検査 部材のR曲げや穴位置など、R関連の検査項目。
表面処理(ケレン・塗装) 錆止め・塗装等の下処理を含む一連作業。施工・乾燥条件の徹底が求められる。

⑤ 加工・組立での注意ポイント

  1. 図面の読解力が品質に直結
     切断長・穴位置・ボルト仕様など、複数図面を照合して確認。

  2. マーキングは真っ直ぐ・鮮明に
     識別情報の誤解を防ぐため、墨線や刻印は丁寧に。

  3. 加工時のバリ処理と寸法確認
     溶接・組立に支障が出ないよう、手間を惜しまず品質を担保。

  4. 非破壊検査は計画と記録が命
     検査計画と合格証の管理で、現場での再チェックや証跡を明確に。


鉄骨加工業における専門用語は、品質・安全・効率を支える共通言語です。適切な理解と運用が、ミスのない現場と信頼に繋がります。特に図面読解・加工精度・検査手順を知り尽くすことが、一流の職人への第一歩です。

 

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第8回鉄骨工事雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

 

さて今回は

~鉄則~

ということで、鉄骨工事における「鉄則」を「計画・設計」「材料・品質管理」「組立・施工」「安全管理」「環境対応」の5つの視点から深く掘り下げ、鉄骨工事の成功に不可欠な要素を詳しく解説します♪

 

鉄骨工事は、高層ビル・橋梁・工場・商業施設などの建設に不可欠な技術です。鉄骨構造は強度・耐久性・施工性に優れている一方で、重量が大きく、現場での精密な作業が求められるため、安全管理や品質管理が極めて重要になります。


1. 計画・設計の鉄則:事前準備が施工の成否を決める

① 鉄骨工事の成功は「計画段階」で決まる

鉄骨工事では、施工の精度が建物の耐久性や安全性に直結するため、計画段階での徹底した準備が必須です。

鉄則:「施工前にBIMや3Dモデルを活用し、鉄骨の配置や接合部を事前検証する」

  • BIM(Building Information Modeling)を活用し、鉄骨の干渉チェックを実施。
  • 柱・梁・ブレース(筋交い)などの接合部の強度計算を行い、溶接方法を最適化
  • 工場製作と現場施工の連携を綿密に行い、納期遅延を防ぐ

② 建物の用途に応じた構造計画

鉄骨工事には、大きく分けて「S造」「SRC造」「SS(スーパー ストラクチャー)造」などの工法があり、用途によって適切な構造を選定する必要があります。

鉄則:「建物の特性に応じた適切な鉄骨工法を選定する」

  • 超高層ビル制振・免震構造を採用し、揺れを最小限に抑える
  • 工場・倉庫大スパンの鉄骨梁を活用し、内部の空間を広く確保
  • 橋梁・大規模施設耐久性とメンテナンス性を考慮した鋼材選定を行う

2. 材料・品質管理の鉄則:適切な鋼材選定と精度管理

① 鋼材の選定と管理が品質を左右する

鉄骨工事では、使用する鋼材の種類や加工精度が建物の耐久性に直結します。

鉄則:「建築基準法・JIS規格に準拠した適正な鋼材を使用する」

  • 建築用鋼材はJIS規格(日本産業規格)に適合したものを選定
  • SN材(構造用鋼材)やSM材(溶接構造用鋼材)を用途に応じて使い分ける
  • 工場出荷時のミルシート(品質証明書)を確認し、不適格材の混入を防ぐ

② 鉄骨部材の精度管理

鉄則:「工場加工時の寸法精度を確保し、現場での手直しを最小限に抑える」

  • H形鋼の曲げ・ねじれを検査し、基準を満たしているか確認
  • ボルト穴の位置・径の精度を厳密にチェックし、現場での誤差を最小限に
  • 表面処理(防錆・塗装)を適切に行い、長期間の耐久性を確保

3. 組立・施工の鉄則:確実な接合と精度管理

① 溶接・ボルト接合の精度確保

鉄骨工事では、部材同士を接合する方法として「溶接」と「高力ボルト接合」があります。

鉄則:「適切な接合方法を選択し、強度と施工性を両立する」

  • 高層ビル・耐震構造物溶接接合を採用し、一体化を強化
  • 工場・倉庫高力ボルト接合を使用し、施工の効率化を図る
  • 溶接部の非破壊検査(超音波検査・磁粉探傷検査)を実施し、欠陥を排除

② 組立時の誤差を最小限に抑える

鉄則:「ミリ単位の精度管理を徹底し、施工誤差を抑える」

  • 基礎工事の段階で鉄骨の設置位置を正確に測量し、基礎ボルトのずれを防ぐ
  • トータルステーション(測量機器)を活用し、鉄骨の建て入れ精度を確認
  • 組立完了後のレベル・垂直誤差をミリ単位で検証し、必要に応じて補正

4. 安全管理の鉄則:作業員の安全と施工品質を守る

① 高所作業の安全確保

鉄骨工事は高所作業が多いため、墜落や転倒のリスクが高い。

鉄則:「安全帯・親綱・足場を徹底し、高所作業の安全を確保する」

  • フルハーネス型安全帯の着用を義務化(2022年より法改正で適用)。
  • 足場・作業床を確保し、安全な移動経路を確立
  • 強風時・悪天候時の作業は原則中止し、事故を未然に防ぐ

② 重機・クレーンの安全管理

鉄則:「鉄骨の揚重計画を策定し、安全なクレーン作業を実施する」

  • リフトアップ計画を作成し、荷重バランスを考慮したクレーン配置を行う
  • 玉掛け作業員・クレーンオペレーターの資格保持を確認し、安全な作業を徹底

5. 環境対応の鉄則:サステナブルな鉄骨工事を目指す

① 鉄骨のリサイクルと環境配慮

鉄骨はリサイクル可能な建材であり、環境負荷の低減が求められる。

鉄則:「鉄骨のリユース・リサイクルを推進し、廃棄物を最小限にする」

  • 解体時の鉄骨はリサイクル業者へ回収し、再利用率を高める
  • プレファブ工法を活用し、工場生産率を上げて廃棄物を削減

6. まとめ:鉄則を守ることが高品質な鉄骨工事の鍵

鉄骨工事は、計画・品質・施工・安全・環境のすべてにおいて厳格な管理が求められる分野です。

計画段階でBIMを活用し、施工精度を向上
鋼材の品質管理を徹底し、不適格材を排除
接合方法を最適化し、耐震性・強度を確保
安全対策を徹底し、作業員のリスクを最小限に
環境配慮を進め、持続可能な鉄骨工事を実現

これらの鉄則を守ることで、鉄骨工事の品質と信頼性を確保し、未来の建築技術の発展につなげることができるでしょう。

次回もお楽しみに!

 

 

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