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第20回鉄骨工事雑学講座

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皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

安全と精度

 

鉄骨建方の現場は、建設業の中でも最も危険性が高い作業の一つである。高所作業・重量物取扱・大型クレーン操作など、常にリスクと隣り合わせだ。

高所作業における安全対策

建方作業では、地上10m〜50mの高さで作業を行うことも多い。墜落・転落防止のためには、安全帯(フルハーネス)の適切な装着、仮設手すり・ネット・親綱の設置が不可欠である。また、強風や雨天時は作業中止が原則。現場判断を誤ると、命に関わる事故につながる。

毎朝行われるKY(危険予知)ミーティングでは、作業内容に応じた危険要素を洗い出し、チーム全体で共有する。「このボルトを締める時に足元が滑る可能性がある」「吊荷の下に絶対に入らない」といった基本動作を徹底することが安全文化を育てる。

クレーン作業と合図の重要性

鉄骨建方では、クレーンによる吊り上げ作業が中心となる。オペレーターと玉掛け作業員、指揮者の三者が完全に連携しなければならない。無線機・ハンドサインによる正確な伝達が不可欠で、一瞬の誤解が重大事故を招く。

特に「吊荷の下に人を入れない」「合図が確認できるまで動かさない」ことは鉄則である。作業スピードよりも“安全優先”を徹底する姿勢が、プロとしての信頼を築く。

精度管理の徹底

鉄骨の建方作業では、ミリ単位の精度が求められる。誤差が積み重なると、最上階では数センチのズレになることもある。そのため、トランシットやレーザーレベルによる測定を行い、柱・梁の垂直度・直角度を常に確認する。

また、高力ボルトの本締めトルクや溶接の温度管理も重要だ。どれか一つでも基準を満たさなければ、全体の強度が保証されない。職人たちは、見えない部分で「精度と品質」に命を懸けている。

現場に息づくチームワーク

鉄骨工事は、一人ではできない仕事である。組立て班、溶接班、鳶職、検査員、監督、クレーンオペレーター――。それぞれの職能が連携して初めて安全で美しい構造体が完成する。

鉄骨工事の現場には「人と人との信頼」が欠かせない。互いに声をかけ、確認し合いながら作業を進める姿勢が、事故を防ぎ、精度を守る最も基本的なルールである。