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第21回鉄骨工事雑学講座

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皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

品質と信頼を支える技術

 

鉄骨の品質を決めるのは、現場建方だけではない。その前段階である「製作工程」が、建物の安全性と寿命を左右する。

鉄骨製作の流れ

製作工場では、まず構造図に基づき、鋼材を切断・孔あけ・溶接・塗装して部材を作る。切断精度は±1mm以内、孔位置誤差は±2mm以内が一般的な基準である。小さな誤差でも、現場で組み立てた際にボルトが入らない、部材が合わないといった問題が発生する。

溶接作業では、JIS Z 3801などの資格を持った溶接技能者が、電流・電圧・溶接速度を管理しながらビードを形成する。溶け込み不良や気孔は、強度低下を招くため厳重な検査が行われる。

品質検査の重要性

製作後の部材は、外観検査だけでなく、超音波探傷試験(UT)、磁粉探傷試験(MT)、浸透探傷試験(PT)などの非破壊検査が行われる。これにより、内部欠陥を発見し、出荷前に不良を防止する。

また、製品検査記録・材料証明書・溶接記録などをまとめた「ミルシート」が、品質保証の証拠として納品される。こうした書類管理が信頼の根拠となり、発注者・ゼネコン・設計者からの信頼を得る。

製作工場と現場の連携

製作と建方が別業者になる場合、連携が非常に重要である。製作側は図面と実測値をもとに加工し、現場側は寸法確認を行いながら建て込む。

その間に一つでも情報のズレがあれば、現場での修正が発生し、工期やコストに大きく影響する。特にプレハブ構造や立体駐車場などの量産型建築では、製作精度が直接的に施工品質を左右する。

鉄骨の品質は、「見えないところで支える技術の結晶」である。鉄骨工事業者の信頼は、こうした積み重ねの上に成り立っている。