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第22回鉄骨工事雑学講座

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皆さんこんにちは!
有限会社本多工業、更新担当の中西です。

 

 

鉄骨工事の未来

 

鉄骨業界は今、デジタル技術と環境対応という大きな変革期を迎えている。

3D設計とBIMの普及

近年、設計から施工までをデータで一元管理するBIM(Building Information Modeling)が急速に広がっている。BIMを活用することで、鉄骨の干渉チェック、重量計算、施工手順のシミュレーションが可能になり、現場での手戻りが減少している。

また、3Dスキャナーを使用して既設構造物を計測し、改修や増設工事にも高精度で対応できるようになった。製作工場ではNC機械による自動孔あけ・切断が進み、人手不足の解消にもつながっている。

環境とリサイクルの取り組み

鉄はリサイクル性が非常に高く、再利用が容易な素材である。建物の解体時に出る鉄骨は、再び溶かして新たな部材として生まれ変わる。この「循環型資源」としての特性は、脱炭素社会における大きな強みである。

また、工場での省エネルギー化、塗料や溶接ガスの環境基準対応、軽量高強度鋼材の導入など、環境負荷を抑える取り組みが進んでいる。

現場のデジタル化と安全技術

現場では、タブレットで図面確認や工程管理を行い、クラウド上でリアルタイム共有が可能になった。ドローンを用いた建方後の点検や、AIによるボルト本締め確認システムも開発が進む。

また、ウェアラブルデバイスで作業員の心拍数や体温をモニタリングし、熱中症や疲労を防ぐ技術も導入されている。安全と効率を両立させるデジタル施工は、これからの現場の標準となっていくだろう。

人材育成と継承

熟練工の高齢化が進む中、若手の育成が業界全体の課題である。鉄骨工事は、図面理解・精度管理・安全意識など幅広い知識が求められるため、座学と実技を組み合わせた教育が必要だ。

OJTや社内資格制度の充実、女性・外国人技能者の参入も増えており、多様な人材が活躍する現場が広がっている。

鉄骨工事の未来は、「人と技術の融合」にある。精密なデータと、現場を知る人の経験。この二つが組み合わさることで、より安全で美しく、環境にもやさしい建築が実現していく。


まとめ
鉄骨工事は、建築の根幹を支える最重要工程であり、精度・安全・品質・信頼のすべてが試される仕事である。どれほど技術が進化しても、最終的にボルトを締めるのは人の手であり、その一瞬一瞬に現場の魂が宿っている。

鉄骨が立ち上がる瞬間――そこには技術者と職人の誇りがある。
それは、未来の都市を支える“無言の芸術”ともいえる。